友人の株式会社の取締役になり、その会社が倒産してしまった場合、私が会社の債務を負うことはないのでしょうか?

(質問)

友人から「名義だけ貸してほしい」と頼まれ、友人の株式会社の取締役になってしまいました。その会社が倒産してしまった場合、私が会社の債務を負うことはないのでしょうか?


(回答)
会社の債務について保証人になっていない限り、本来であれば、会社の債務を返済すべき責任はありません。ただし、会社の違法行為や債務不履行を知りながら、または、知らなかったことに重大な過失があるような場合には、これにより損害を受けた者に対し、取締役が損害賠償責任を負うことがあります。倒産の場合では、会社が倒産することを承知のうえで、返済見込みのない借入を行ったり、代金支払ができないことを承知で商品を購入したりしたような場合には、取締役がこれらによって損害を被った者に対し、賠償責任を負う場合がありえます。
実際に経営に関与していなかった名目的な取締役についても、取締役の地位にある以上、損害賠償責任を負う場合があり、友人の会社が違法な行為により第三者に損害を与えた場合、それを知りながら放置していたといった事情があると、取締役として損害賠償責任を負う場合もありえますので、注意してください。

(担当弁護士)
加藤 修一

カテゴリー: お金のこと, 事業のこと