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漫画でアンケート?ボランティア活動推進部会

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 三浦市社会福祉協議会常務理事の佐藤千徳です。
 
 昨日、今年度第3回目となる「ボランティア活動推進部会」が開催されました。
今会議の主たる議題は、第2次ボランティア活動推進計画に市民ニーズをいかにして反映すればよいか―というもの。果たして、部会主導でアンケート調査を実施することになったわけですが、その手法が今会議のテーマとなりました。

 現在、事務局では、ボランティア(市民活動)の振興策として①ヒト(人材育成)②モノ(施設・設備、活動場所)③カネ(活動資金)④情報(収集発信)⑤ボランティアセンターの充実-の5つの柱を想定しています。この想定が、有効であるか否かを実証的に明らかにするためにアンケート調査を実施しようというわけです。  さて、このようなアンケート調査(による「統計化」)は、合理的かつ効率的活動をおこなうあらゆる個人、事業体に不可欠とされる諸機能(現状認識機能・計画立案機能・事後評価機能)を発揮するうえで、欠かすことのできない重要な役割を果たしています。そしてそれは、集団の意識や集団に存在する問題を把握するにおいて有効な手段となるのです。
 
 今回事務局では、ボランティア(市民活動)の振興に必要な「支援策」を①ヒト(人材育成)②モノ(施設・設備、活動場所)③カネ(活動資金)④情報(収集発信)⑤ボランティアセンターの充実-の5つに分類し、これらが有機的に連動することが、当該活動上の問題解決に有効であるとの仮説をたてました。その仮説を検証するためにアンケートを実施するわけですから、仮説を合理的に検証できるような設問が網羅されていなければならなりません。しかし被調査者が回答する負担を考えたとき、おおよそ10分程度で回答でき、かつ、一定の興味を引くような工夫を凝らす必要があるのではないか―との見解に達し、写真にあるような「漫画」によるアンケート用紙を試作してみました。
 主人公である「ボラ君」の様々な経験を通して、社会問題を発見し、これに関与する様が一種の成長物語として語られていきます。それを被調査者が追体験することによって「アンケートに回答する」ようになっているのです。担当者が、設問設定からまる二日間かけて作画した力作です。
 なお、調査用紙(調査票)は①活動経験者用と②未活動経験者用に分け、それぞれに「属性(プロフィール)」と「設問」を設けました。

 ちなみに、設問を設計するうえでの留意点は、調査目的に照らし、合理的な質問をおこなうこと。また、仮説が検証できるような構成になっていなければなりません。
 例えば、我々は「三浦市の場合、高年齢者と若年層では、ボランティア(市民活動)に対する意識が異なり、若年層は低いはずだ。したがって、ボランティア(市民活動)を促進するなら、若年層への教育が重要である」という仮説をもっています。当然、この仮説を立証するためには、年齢別にボランティア(市民活動)への考え方、反応を分類して検証する必要があります。そして、できるだけ「なぜ年齢によって意識が異なるのか?」を明らかにできるような質問をおこなわなければならないと考えました。
 アンケートでは「属性」で回答者に年齢を記入していただき、設問で、ボランティア(市民活動)の意義(今回は「ボランティアとお金の関係についてどう考えますか?」という設問を用意した)についてお答えいたただくようにしました。そうすることによって、いわゆる年齢別分類が可能になるからです。

 実際にアンケート用紙を作成する際には、以下にも留意しました。あまり恣意的に設計してしまうと、あとで科学的な分析が困難になってしまうからです。
①回答者が勘違いするような紛らわしい言葉を使わないようにしました。その点「漫画」つまり、ビジュアルで訴えるという手法は有効であると思われます。
②日本人の場合は、意思を明確に表現したがらない傾向があります(「普通」「どちらでもない」といった答えを選んでしまう)。しかし、ほとんどの回答者が「普通」を選んでしまっては分析ができません。分析とは、ある意味において違いを明確にすることであるからです。ですから曖昧な回答は用意してありません。


 この新しい試みが、果たしてどうなるのか。僕自身興味が尽きません。なんせ、「漫画でアンケート」ですからね。ただ一つ言えることは、既成概念に囚われず新しいことにチャレンジする“心意気”は、大切にしてやりたいということです。で、その問題のアンケート用紙ですが、現在部会員や本会の職員間でプリテストをおこなっている最中です。近日公開ということでお楽しみに!